2009年6月12日金曜日

SEAFDEC/AQD

ここが、共同研究をしている研究所、東南アジア漁業開発センター養殖部局(Southeast Asian Fisheries Development Center, Aquaculture Department)、略してSEAFDEC/AQDです。シーフデックと読みます。

SEAFDECはタイに本部がある地域的国際研究機関で、日本とASEAN諸国(フィリピン、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、タイ、シンガポール、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、ラオス)が加盟国です。

フィリピンのAQDは、パナイ島(マニラから南に飛行機で50分)のイロイロ市ティグバウアン村にあり、魚類、貝類、甲殻類、藻類などの養殖の研究や、漁業者への技術普及、種苗(しゅびょう:稚魚や稚エビなど)の販売をしています。

私のここでの仕事は、エビ養殖の技術開発として、ナマコや二枚貝との混合養殖技術を確立することです。

エビ養殖は、水の交換の少ない池の中で大量の餌を使うので、水や池の底に汚れがたまってしまいます。このために病気が発生しやすくなります。集約型養殖では抗生物質をつかって発病を抑えますが、環境によくありません。そこで、ナマコなどの生物をエビと一緒に飼うことで、余分な養分をそちらに消費させて池の中の環境を良好に保ち、しかもナマコは非常に高値で売買されるので、一粒で二度おいしいという作戦です。

フィリピンに来るのは今回が4回目で、今回からやっと本格的に仕事が始動する予定ですが、なかなかことはスムーズに進みません。フィリピンの運転免許の取得や自動車購入のための資料収集だけで1週間があっという間に過ぎてしまいます。専用電話回線をひくのにも一苦労だし、日本から機材を送るのにもわけがわからないくらい時間がかかります。アシスタントの雇用や、施設利用費用などの支払いのために経理係にアカウントを開いてもらったり、その他もろもろの事務手続き、銀行に行くにも車で片道40分かかります。そもそも、ビザの発給に時間がかかり、出発が3週間も遅れてしまいました。

以前、水研センターから出向で来ている次長に、ここでは予定の50%も仕事ができたら出来すぎなくらいだと言われましたが、本当にそうなりそうな予感がして、先が思いやられます。

でも昨日までで準備のバタバタが落ち着いてきたので、来週から本業の研究の立ち上げにとりかかります。今日はフィリピンの独立記念日で祝日なので、この機会を利用してたまっている資料の整理をしようと思います。できたら、書きかけの論文も書きすすめたいところです。

1 件のコメント:

  1. 今更ながら・・・そちらで何をしようとしているのかやっと理解しました・・・

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