2009年9月14日月曜日

フィリピンの夜空

イロイロは田舎で空気がきれいだし夜は暗いので星がよく見える。
いま一番目につくのはさそり座。
真ん中の赤い星は赤色巨星アンタレス。太陽の230倍もの直径があるそうだ。
この写真ではわからないけど、サソリのしっぽの方に天の川が広がっている。今回持ってきたカメラのレンズは、画角が狭すぎて天体観測にはものたりない。
イロイロで見る天の川は、雲と見間違うくらいにはっきりと見える。首が痛くなるくらいにずっと見上げていても飽きない。
夜は居酒屋で飲むのもいいけど、本当は空を見上げるだけで楽しめるんだなぁ。

2009年8月26日水曜日

漁村の子供

マンゴーの生産で有名なギマラス島に実験用のナマコをとってもらう漁師を探しに行ったときに撮った写真です。

こっちの子供は無邪気で、カメラを向けるとうれしそうに近寄ってきます。

それにしても、この子の味噌っ歯はひどいなぁ。ちゃんとした永久歯が生えてくるといいんだけど。

ここの漁村は、11家族が住んでいて、ハタなどの魚、伊勢海老、ミルクフィッシュなどを主にとったり畜養したりしています。

ナマコはあまり取っていないので、まだ沢山いるようです。ナマコは高い値段がつくので、インドネシア、タイ、ベトナムなどでは、取りつくされてしまった漁場がたくさんあります。フィリピンはインドネシアに次いで2番目にナマコの輸出量が多い国ですが、ここはまだ大丈夫のようです。

研究対象のハネジナマコで最高級グレードの乾物は、末端価格でキロ当たり2万円程度の値がつきます。SEADECのアシスタントの給料が3万円程度であることを考えると非常に高価です。もちろん、一番儲けているのは仲買人で(どの国でもこいつらが一番あくどい)、漁師の儲けは少ないのですが、この地域にも大きな流通ルートができてしまったら、あっという間に取りつくされて資源崩壊です。

この子が大人になるころに海はどうなっているのだろうか?東京湾みたいに回復のしようもない海はともかく、まだどうにかできるところは守っていきたいものです。

2009年8月15日土曜日

これがこっちで乗っている車です。

いすゞD-Max LS 3Lターボディーゼル、パートタイム四駆、AT。いすゞは日本国内での乗用車の生産からは撤退しているので、これもタイで組み立てられた車両。

日本ではどのメーカーからも市販されていない、メガピックアップと呼ばれるタイプで、トヨタや日産のライバル車と比較すると一回り小さいのだが、とにかくでかい。全長4995mm、全幅1800mm、全高1760mm、重量は資料がないけど多分1.8t越えてると思う。

それなのに146馬力しかないので、かなり遅い。トルクも294Nmしかない。追い越しの時の瞬発力にかける。こっちでは皆好き勝手に走っていて、追い越しをかけるのが日常茶飯事なので、ちょっときつい。スープラやレガシィの加速力が懐かしい・・。

燃費は街乗りで10km/lを少し切るくらい。この巨体を考えるとそれほど悪くない。こちらでの
軽油の値段は約80円/L程度。こっちの人にとってはとんでもない高い値段だと思う。

この車は荷台があって、四駆なので、調査機材やサンプルを積んでフィリピンの悪路を走行するのに適している。こっちの道路は舗装がしょぼいので強い雨が降ると、そこらへんに穴ぼこが開いてしまう。ひどいと舗装がそっくりそのまま何十メートルも横滑りすることがあるらしい。ちなみに、日本の建設会社がイロイロ空港と一緒に作った道路は日本と同様の仕上がりで、それ以外の道路と比べて月とすっぽん。つい忘れがちだが、日本のインフラはそれはもう大したものなのだ。

今のところ、街と研究所の行き来にしか使ってないが、機会があればちょっと遠出してみたい。

2009年8月9日日曜日

ねこ

こっちの猫はどれもこれも痩せている。それで、臆病だ。

あまり猫を飼うという習慣がないらしく、野良猫に餌をあげるのが趣味なネコババーみたいな人も見かけない。日比谷公園の野良猫なんて丸々太ってのんきに昼寝してるのに。

フィリピン人の多くはネコに食べ物をあげるくらいなら自分で食べるんだろう。

こっちは痩せている人が多いけど、比較的裕福な人は大概太っている。男はみんな栄養失調児のようなビール腹だ。先日サルビアマノールというこちらでは高級なホテル(結構しょぼい)にあるスエヒロという和食レストランに行ったら、自分を除くと三組しかいない客の二組が、樽のようなデブだった。

スエヒロの和食は最悪だった。しゃぶしゃぶを頼んだらよせ鍋が出てくるし(具はほとんどしらたき)、てんぷらの付け汁は、天丼のタレに使う濃いやつだった。当然大根おろしなんてついてこない。それでいて量が少なめで値段が高い。イロイロは日本人が少ないからしょうがないのかな。

店を出るときにアンケートを頼まれたので、仕方ないけど、味はpoorを選んだ。一流レストランを期待して行ったから、余計にがっかりだ。でも、フィリピンではご飯をまともに食べられない人が多いことを考えると・・・やっぱそれとこれとは別問題だな。あんなものを和食と勘違いしてもらいたくない。

2009年8月4日火曜日

台風

ここのところずっと台風です。

フィリピンの台風は日本みたいに数日で通り過ぎるのではなく、1週間以上ウロウロしています。

突然豪雨になったかと思えば、ぱたっとやんだり、風も強くなったり弱くなったり、予測ができない天気です。降り方も半端じゃないです。関東で経験できる土砂降りの比じゃないです。

嵐の後は地面に木の枝や、たまに木そのものが倒れていたりします。土曜日に運転していたら渋滞になって、事故かと思ったら、大きなマンゴの木が倒れて道路を2車線ふさいでいました。

台風の名前は出現順にアルファベットの順番で名前がつけられていて、今居座っているのはkikoという名前ですから、既に台風11号です。

隣のギマラス島の漁師のところに調査に行きたいのですが、この天気じゃ海がしけていて仕事になりません…

2009年7月31日金曜日

パーティー

フィリピン人はパーティーが大好きです。何か理由を見つけては食事会を開きます。

昨日は、カウンターパートのジュネミーが論文賞を受賞したということで、旦那のロエル主催で近くのレストランに行きました。

ジュネミーはJICAの研修で高知に行って不在だし、パーティーの間に論文に関する話は一度も出てきませんでした。次はだれの誕生パーティーを開くか、などという話ばっかりです。

パーティーに参加してみんなと親睦を深めるのは自分にとってもよいことなのですが、困るのが大体その日の夕方になって突然誘われることです。お手伝いさんが料理をしているので、突然言われても困ります。でも、結局参加しています。

この写真の右がロエル、左はギンギンという名前のおデブちゃん研究者です。ギンギンは日本に行ったことがあり、回転寿司で皿をうずたかく積み上げたそうです。いっつもなんか食べてるし、そりゃ太るっつーの。

2009年7月29日水曜日

アシスタントのロイ

アシスタントをしてもらっているロイ・ヒポリトです。
37歳独身で、昔SEAFDECに勤めていて辞めた後にインドやフィリピンの他の地域で養殖その他に係る仕事をしていました。
性格もよいし、仕事の上でも頼りになります。サンプル処理から事務仕事の手伝いまでオールマイティにやってもらっています。
SEAFDECでの仕事以外にも、実家の農業や自分のティラピア養殖など色々と働いていますが、一つ心配なのはアムウェイで農業関係の薬品等を販売する仕事をしようとしていることです。
マルチ商法というのはどうにも胡散臭さくて、アムウェイが日本でも問題になっていることを伝えて、騙されないように注意をしましたが、どうやらやめる気はないようです。
ロイにはこれから分析手法なども覚えてもらわなくてはなりませんが、本人は将来的に研究者を目指すわけでもないので、教える側としても微妙な感じです。

2009年7月4日土曜日

うし

このところ忙しくてblogを書いている暇がありませんでした。今回の出張も残すところあと1週間です。

この写真はネグロス島で撮ったものです。川に水牛がいます。

川だけでなく、ここではそこいら中に牛や山羊がうようよしています。日本も昔はこんなだったんだろうか。地鶏の養鶏場もよく見かけます。

イロンゴ語で牛はバカ(たしかにバカだな)、豚はバボイ、鳥はマノックです。鳥や豚は日本のものよりも、味が濃い気がします。

でも、こっちでは骨ごと細かく切って料理するので、食いづらいったらありゃしないです。

2009年6月25日木曜日

ホームパーティー

昨日、自分の研究と直接関係のある研究者や学生合計9人を家によんでディナーパーティーを開きました。

結果として、研究の話にもならなかったし、あまり盛り上がらなかったしで、やっても意味ないなぁという感じでした。日本の飲み会の感覚でお酒を用意したのだけど、飲む人は少ないし、ご飯を食べ終わったらなんとなく終わりって感じでした。こっちでも年配の人たちは、酒とつまみだけあればそれで盛り上がれるんだけど、やっぱりホストががんばって趣向をこらす必要があるようです。

日本だったら、家でパーティーをすることは少ないし、居酒屋に行ってみんなで飲んで、そのあとカラオケに行ってというお決まりのパターンがあるけど、こっちのやり方を見つけなくては。

居酒屋に行きたい。

2009年6月23日火曜日

おじぎ草

こちらではおじぎ草が雑草としてそこらへんにたくさん生えています。

触ると葉がしぼむ姿がおじぎに似ていることから日本語ではおじぎ草と呼ぶのだと思いますが、現地語(イロンゴ語)では、Huya huyaと呼びます。

Huyaとは恥ずかしがりという意味です。さわると小さくなってしまうから、恥ずかしがり草と呼ばれるのだそうです。

イロンゴ語ではこのように同じ言葉を二回繰り返すことがよくあります。Huya huyaのように固有名詞では、他にもKalo kalo(炒飯)やHalo halo(かき氷)などたくさんありますし、形容詞を二回繰り返すことで強調の意味になります。たとえば、小さいはgamaiですが、とても小さいはgamai gamaiとなります。

フィリピンの公用語はタガログ語ですが、方言(外国語と言った方がよいくらい差異が大きい)がたくさんあって、イロンゴもその一つですが、何を学べばよいのか悩みどころです。現地の人とのコミュニケーションにはイロンゴがよいのですが、タガログを知らないと他の地域で話が通じないし、イロンゴみたいなマイナーな言語を覚えても将来役に立たないだろうという気もします。

でも幸いなことにフィリピンでは英語が通じるので、外国人には生活しやすい国です。

2009年6月19日金曜日

リビング

これが家の中、リビングの写真です。家具つきなのですが、家具のセンスはかなり???です。

今日新しいテレビが届いたときに、造花と壁の絵を取り払ってもらいました。

この部屋にはクーラーがなくて、代わりに玄関側の壁が一面網戸になっています。もちろん網戸の外には格子があります。

今朝起きて洗面所に行ったら水が出ませんでした。水道メーター付近で水道管が壊れて水が噴き出ていました。すぐに修理してくれたからよかったけど、週末だったらしばらく水なしの生活を余儀なくされたかもしれません。水道管が塩ビパイプってのがしょぼいです。

この家の謎のひとつが、網戸が窓の内側にあるということです。窓を開け閉めするのに網戸も開け閉めしなくてはなりません。ちょっと考えればわかるのに・・。こういったまぬけなことは他にもたくさんあります。みんな細かいことは気にしないのでしょう。

2009年6月17日水曜日

GUEST HOUSE 3

ここが今住んでいる家です。

SEAFDECの敷地内にあるスタッフハウスです。2LDK+メイド室の家具付きで、家賃は月に4000ペソです。そのほかに電機、ガス、水道などを合わせると、月に5000ペソ(1万円)程度です。

そこそこ快適に生活できます。問題があっても、修理の対応も結構早いです。でも、テレビが壊れたまま未だに交換してもらえないのと、インターネットがないこと、裏の家の住人がウチの庭を勝手に通り道にしているのは困りものです。

研究所の敷地内なので、研究室までは歩いてすぐだし、テニスコート、バスケコート、グランドもあるし、なかなか良いところです。なぜか私立の小学校もあります。

2009年6月14日日曜日

サガイその2

カービン礁(Carvin Reef)は幅50m長さ200mくらいの小さな瀬です。

周りには遠浅の海が広がっていて、監視所兼研究用の小さな塔があるだけです。

この写真は監視塔から撮った写真、カービン礁の右端が写ってます。遠くから雨雲が押し寄せてきています。

今は雨期で、雨が降ったりやんだりしています。海が荒れると数日間監視塔に閉じ込められることもあるそうです。壁がなく梁と屋根だけの塔なので、南の島とは言えども夜は大変そう。

ネグロス島サガイ

先週末、カウンターパートのジュネミーの調査に同行して、ネグロス島のサガイというところからボートで15分程沖に出たところにあるカービン礁に行きました。

このエリア一帯は保護区に指定されていて、SEAFDECがシャコガイやアワビの種苗放流をして資源回復の調査をしています。

この写真だとよくわからないけど、日本人のイメージする典型的な南の島という感じです。

私の左にいる水色のTシャツがジュネミーです。黄色い袋を持っているのが研究部長のビン、いちばん右はアシスタントのオーガスト(8月生まれだから)。ジュネミーという名前も6月生まれだからだそうです。こんないい加減なネーミングでいいのか、フィリピン人?

2009年6月12日金曜日

SEAFDEC/AQD

ここが、共同研究をしている研究所、東南アジア漁業開発センター養殖部局(Southeast Asian Fisheries Development Center, Aquaculture Department)、略してSEAFDEC/AQDです。シーフデックと読みます。

SEAFDECはタイに本部がある地域的国際研究機関で、日本とASEAN諸国(フィリピン、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、タイ、シンガポール、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、ラオス)が加盟国です。

フィリピンのAQDは、パナイ島(マニラから南に飛行機で50分)のイロイロ市ティグバウアン村にあり、魚類、貝類、甲殻類、藻類などの養殖の研究や、漁業者への技術普及、種苗(しゅびょう:稚魚や稚エビなど)の販売をしています。

私のここでの仕事は、エビ養殖の技術開発として、ナマコや二枚貝との混合養殖技術を確立することです。

エビ養殖は、水の交換の少ない池の中で大量の餌を使うので、水や池の底に汚れがたまってしまいます。このために病気が発生しやすくなります。集約型養殖では抗生物質をつかって発病を抑えますが、環境によくありません。そこで、ナマコなどの生物をエビと一緒に飼うことで、余分な養分をそちらに消費させて池の中の環境を良好に保ち、しかもナマコは非常に高値で売買されるので、一粒で二度おいしいという作戦です。

フィリピンに来るのは今回が4回目で、今回からやっと本格的に仕事が始動する予定ですが、なかなかことはスムーズに進みません。フィリピンの運転免許の取得や自動車購入のための資料収集だけで1週間があっという間に過ぎてしまいます。専用電話回線をひくのにも一苦労だし、日本から機材を送るのにもわけがわからないくらい時間がかかります。アシスタントの雇用や、施設利用費用などの支払いのために経理係にアカウントを開いてもらったり、その他もろもろの事務手続き、銀行に行くにも車で片道40分かかります。そもそも、ビザの発給に時間がかかり、出発が3週間も遅れてしまいました。

以前、水研センターから出向で来ている次長に、ここでは予定の50%も仕事ができたら出来すぎなくらいだと言われましたが、本当にそうなりそうな予感がして、先が思いやられます。

でも昨日までで準備のバタバタが落ち着いてきたので、来週から本業の研究の立ち上げにとりかかります。今日はフィリピンの独立記念日で祝日なので、この機会を利用してたまっている資料の整理をしようと思います。できたら、書きかけの論文も書きすすめたいところです。

2009年6月11日木曜日

開設テスト

フィリピンのイロイロでの生活を紹介する非定期ブログのはじまりはじまり